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お墓参り

hana

 僕の実家は長野だ。この場所につくと、ふと半年前を思い出す。いつも石はそこにあって、静かに誰かを待っている。お墓の石を見ると、自分も世の中も何も変わっていないような気がする。しかし自分に気がつかないことが、変わっているのだろう。
 音信不通だった元彼女から、突然連絡があったのはこの場所だった。そのときは復縁を望んでいたのだが、その願いは叶わなかった。そのときは夏だった。盆地の長野特有の暑さで、よく日焼けしたのを思い出す。元彼女と1時間くらい話をした。それが彼女の声を聞いた最後だった。汗だか涙だか体から水分がよく出ていった。ひどくのどが渇いた日だった。
 それから、忘れようといろいろな事をやってみた。いろいろな本を読んだ、趣味も一生懸命やった。復縁をあきらめて三ヶ月くらい過ぎて、また出会いがあった。その人とも、いろいろな事があって、とても楽しい毎日を過ごしていた。だが、いつも神様は突然で、意地悪だ。「人生はその人が期待するように、うまく予定通りには進まない」と本に書いてあった、この言葉を思い出す。世の中は理不尽だ。本人同士だけではどうにもならないことがある。その人とも、また終わろうとしてた。
 


nagano

 曽祖父に聞いてみたかった「僕はこれでいいのか?」と。来るべき時に、来るべきものが来る。そして、去るべきものは、去っていく。愛することは信じることと、許すことだと書いた。さらにワイス博士は「許すこと」について、「それは忘れることではなく、理解することだ」と書いている。僕は理解しようと思う。その人と、その人の回りにいる人たちと。
 お墓からの帰り際、携帯電話を見てみる。どんよりした雲と、雨を運ぶ風が吹いていた。鳴らない電話を眺めながら、そこはただ静かだった。

参考文献

ブライアン・L・ワイス、1996、前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘、PHP研究所
ブライアン・L・ワイス、2004、「前世」からのメッセージ-人生を癒す魂とのであい-、PHP 研究所


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