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研究の覚え書き、その四(モーツァルト効果)

 今回もその弐に引き続いて、モーツァルト効果に関連した研究を紹介しようと思う。

1.2 モーツァルトの曲と、気分、空間認知能力向上の関係(他作曲家との比較)
 1.1ではGabriela et al.らのモーツァルト効果の研究を紹介した。彼らはモーツァルトの曲のみで気分や空間認知能力向上の関係を調査していた。今回紹介するのは、モーツァルトとそれ以外の作曲家の曲で、それらを調査している。
 William,E.Glenn and Gabriela(2001)は、モーツァルトとアルビノーニの両作曲家による曲を聴取した群と、音楽を何も聴かなかった群とで、気分と空間認知能力を測定しいる。曲は、モーツァルトのK448(ピアノ・ソナタ、ニ長調)と、アルビノーニのAdagio ト短調 for Organ and Stringsである。空間認知能力測定はpaper-folding-and-cutting(PF&C)tasksで測定し、気分はProfile of Mood States(POMS)で測定している。結果は、
1)モーツァルト群は空間認知能力の点が何も聴取しなかった群よりも高くなった。また気分は、ポジティブな感情が高くなり、覚醒の度合いも高くなった。一方、
2)アルビノーニの群は空間認知能力が非聴取群と変わらない得点だった。気分に関してはネガティブな感情が強く、覚醒の度合いも低かった。
 この結果だけ見るといかにもモーツァルトの曲が効果があるように思える。1.1でGabriela et alらのモーツァルト効果について調査を紹介した。それは早いテンポで長調による曲の聴取条件で、覚醒とポジティブな気分に誘導したときに、空間認知能力の向上が起きている。空間認知能力の向上には、モーツァルトの特定の曲が関係しているのではなく、音楽による覚醒とポジティブな気分への誘導が関係しているのではないだろうか。

アルビノーニについては下記ページを参考にした。
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=225

参考文献

Baklwill,L.L.,&Thompson,W.F.(1999).Music-dependent memory:The roles of tempo changes and mood mediation.Journal of Experimental Psychology:Learning,Memory and Cognition,22,1354-1363
Gabraiela Husain.,Willam Forde Thompson.,& E.Glenn.(2002).Effects of musical Tempo and Mode on Arousal,Mood,and Spatial Abilities.Music Perception,20(2),151-171.
林知行.(1997).標準 ポピュラー音楽理論,シンコーミュージック.
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
William Forde Thomposon,,E.Glenn Schellenberg,.& Gabriela Husain.(2001).AROUSAL MOOD AND THE MOZART EFFECT.American Psychological Society,12(3),248-251.

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