研究の覚え書き、その弐(モーツァルト効果)
今回も前回に引き続いて、モーツァルト効果に関連した研究を紹介しようと思う。
1.2 モーツァルトの曲とニューエイジ音楽のリラクゼーション効果
前回はモーツァルト作曲の作品を題材とした研究を紹介した。今回は、モーツァルト作曲とそれ以外の作曲家による曲との比較である。
Jonathan & Carol(2004)はモーツァルト作曲のK525(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)とK509(6つのドイツ舞曲)と、ニューエイジ音楽のHalpern作曲の「Serenily suite」との、リラクゼーション効果の比較を行っている。また音楽を聴取しない群として、一般雑誌を読む群も用意されていた。この調査は三日間続けられた。
結果は、音楽を聴取した群は、聞かなかった群よりもリラクゼーションの効果が高かったことが報告された。しかしそれはモーツァルトの作品を聴取した方が効果が高かった。二日目からは音楽聴取群で変化が見られ、モーツァルト聴取群で特有の効果があった。それは、二日目では、安らぎの感情が増え、ネガティブ感情(不安、憂鬱)が減る効果が、より高く見られた。そして三日目では、ニューエイジ音楽聴取群では見られなかったような、高いリラクゼーション効果が起きたと報告されている。
両方の曲でリラクゼーション効果が認められた。しかし、モーツァルトの曲にはさらなるリラクゼーションの効果があるようだ。
参考文献
Gabraiela Husain.,Willam Forde Thompson.,& E.Glenn.(2002).Effects of musical Tempo and Mode on Arousal,Mood,and Spatial Abilities.Music Perception,20(2),151-171.
林知行.(1997).標準 ポピュラー音楽理論,シンコーミュージック.
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
Mozart,W.A.(2005).華,コロムビアミュージックエンタテイメント,Track 11.
William Forde Thomposon,,E.Glenn Schellenberg,.& Gabriela Husain.(2001).AROUSAL MOOD AND THE MOZART EFFECT.American Psychological Society,12(3),248-251.
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コメント
トラックバックありがとうございます。覚え書きなので、それほど詳しく紹介していませんが・・・。
投稿: 竪琴の弾けない吟遊詩人 | 2005年5月12日 午後 01時54分