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研究の覚え書き、その五(癒し音楽)

 今回は癒し音楽についての論文を紹介していきたいと思う。
3 癒し音楽について
3.1 「元気になる」音楽と、「心がやすらぐ」音楽
 人はどのような音楽を聴いたとき、「癒される」と感じるのだろうか。松田・厚味・伊東(2001)と松田・厚味・,鈴木(1998)はそれぞれ、「元気になる音楽」と「心が癒される音楽」について調査している。
 私は、それらの調査の中で上位にあげられた曲を実際に聴き、譜面などから音楽的特徴を検討した。その結果、1)元気がでる音楽は、リズムが強調され、テンポが比較的早い特徴があった。2)癒される音楽については、リズムはそれほど強調されず、テンポがゆっくりで、メロディーがシンプルであることが分かった。癒される音楽の上位三曲は、エンヤ・ウオーターマーク、リスト・愛の夢第3番、神山・水色の幻想である。
 前回まではモーツァルト効果の研究を紹介してきたが、それには曲のテンポが係わっている可能性があると述べた。今回あげている調査でも、テンポが速い曲の方が、人を元気(覚醒)させる効果がある事が示されている。
 またメロディに関しても、Balkwill & Thompson(1999)は、音楽聴取後の感情にメロディのシンプルさと複雑さが、ポジティブ感情とネガティブ感情に関係があることをあげている。今回紹介した調査の「心が癒される音楽」もメロディの特徴において、シンプルであるという事が分かった。
 村井(2001)は音楽療法の立場から癒しについて検討している。そこで音楽療法で有効な音楽として、「デジタル的音楽」と「アナログ的音楽」という二つの概念を提唱している。そこでもメロディとテンポの、癒しに対する関連性が述べられている。
 人を癒す音楽は、テンポとメロディが係わっているらしい。

参考文献
Balkwill,L.L.,& Thompson, W.F.(1999).A cross-cultural investigation of the perception of emotion in music:Psychophysical and cultural cues.Music Perception,17,43-64
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
松田真谷子,厚味高広,伊東康弘.(2001).如何なる種類の音楽を聞いたとき人は元気が出ると感じるか.日本音楽療法学会誌,1(1),2001,87-94
松田真谷子,厚味高広,鈴木茂孝.(1998),「心が安らぐ」「心がいやされる」と感ずるのはどんな音楽を聴いたときか,日本バイオミュージック学会,Vol16,No2,201-207
村井靖児.(2001).音楽療法の基礎,音楽之友社

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コメント

私、エンヤの曲大好きです。聴いていると思わず心が癒されます。
そして、気持ちが穏やかになります。
これほど究極の癒し系音楽はちょっと他にありません。

投稿: WildChild | 2005年7月20日 午後 08時50分

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