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音楽聴取後の感情変化についての研究-テンポとメロディと曲に対する好みが感情尺度と癒し感情に与える影響-(修士論文要旨)

音楽聴取後の感情変化についての研究(修士論文要旨
-テンポとメロディと曲に対する好みが感情尺度と癒し感情に与える影響-
(修士論文要旨)

 修論の要旨を書いてみた。1ページ=40字×40行を2ページと言う指定なので、図とか入れられなかった (;・ω・)∩ 。図とか画像がないと、ずいぶん殺風景な文章になるな・・・。 字ばっかり・・・。


 現在の社会は、ストレスの多い社会と言われている。そのような中で、リラクゼーションに関する関心が高まっている。その一つの方法として音楽があげられるだろう。ヒーリング音楽やリラクゼーション効果などを謳った商品が、数多く店頭に並んでいることからもこのことが分かる。音楽はTV、商店やレストランのBGMなど、我々の身近なところで利用され、音楽を耳にしない日がないほどとなっている。このように日常よく利用され、我々に生活に浸透している音楽だが、どのような曲が人の心を癒すのだろうか?。
 テンポについては先行研究によって、速いテンポは「活力」や「活発」などの覚醒に関連した感情を起こさせ、遅いテンポは不活性的な落ち着いた、沈静的な気分にさせる事があげられている。メロディに関しては、複雑なメロディは「怒り」や「悲しみ」の感情に関係があり、シンプルなメロディは「ポジティブ感情」や「喜び」「穏やかさ」などの感情に関係がある事をあげている。音楽と「癒し」の関係を調査した研究で上げられている曲目ついて調査したところ、1)活性的な気分になる音楽は、リズムが強調され、テンポが比較的早い特徴があった。2)癒される音楽については、リズムはそれほど強調されず、テンポがゆっくりで、メロディーがシンプルであることが分かった。以上の事から、テンポとメロディという音楽的な特徴が、感情変化に大きな影響を与えていると推測された。また、音楽に関する好みについても、重大な感情変化の原因になるだろう。好みの音楽の効果を調査した研究からも、その効果が報告されている。
 本研究では音楽を利用した癒しについて、音楽の重要な構成要素であるテンポとメロディの両観点から考察した。また、聴取させた音楽について、好みと「癒し」感情の関係も調査した。そのための方法として、テンポ(fast or slow)とメロディ(simple or complex)の異なる曲を四曲作曲し、それを被験者に聴かせ、その後の感情状態を測定した。好みについては、聴取後の質問紙に項目を設け調査した。
 被験者は日本電子専門学校(電子工学科)の生徒60名(男55名、女5名)を対象に行った。聴取用音楽は、シンプル(Simple[S])なメロディはエンヤ・ウォーターマークを使用した。複雑なメロディ(Complex[C])には、先行研究に上げられている曲目を参考に、ウォーターマークに音符を追加して作成した。メロディ、テンポ以外の音楽的な変化を統制するため、コード進行、伴奏、音色などは各バージョン全て同様とした。テンポは、fast[F]とslow[S]をそれぞれ、160と80bpm(四分の四拍子)とした。聴取前後の感情測定は、MMS(Multiple Mood Scale:多面的感情尺度)から、音楽聴取時に関係があると考えられる3因子を選んだ。因子は、「抑うつ・不安」(不安な、悩んでいる、気がかりななど)、「非活動的快」(のんびりした、おっとりした、ゆっくりしたなど)、「活動的快」(活気のある、気力に満ちたなど)の3因子(各因子5項目)を使用した。それぞれの項目は、「全く感じていない」の1から、「はっきり感じている」の5までの、5段階で答えさせた。調査は各聴取音楽群(FC,FS,SS,SC)15名で行った。現在の感情(音楽聴取前感情)に関する質問に答えさせた後、音楽を聴取させた。聴取時間は約210秒とした。210秒に満たない時は、繰り返し聴取させた。次に聴取後の感情を答えさせた。調査時間は全て合わせて約10分だった。
 調査の結果、聴取前後の「抑うつ・不安」に主効果が認められた(F(1,56)=18.41,p<0.00)。また、「非活動的快」においても、聴取前後に主効果が認められた(F(1,56)=4.853,p<0.05)。どのタイプの音楽を聴いた場合でも、聴取後は「抑うつ・不安」が減り、「非活動的快」が増える事が分かった。「活動的快」においては、聴取前後のMMS値とテンポとの間に交互作用が認められた(F(1,56)=5.37,p<0.05)。下位検定の結果、遅いテンポの曲を聴いたときは、「活動的快」の値が減る事が分かった(F(1,56)=8.73,p<0.01)。次に聴取前後の変化量を分析するため、「聴取後値-聴取前値=変化量」の計算を行った。テンポ(Fast VS Slow)×メロディ(Complex VS Simple)のMANOVAを行った所、「活動的快」においてテンポによる主効果が認められた(F(1,56)=5,37,p<0.05)。テンポが遅い曲を聴取した場合、「活動的快」が減る事がわかった。音楽聴取時の曲に対する好みも重要な要素だが、それについても分析を行った。その結果、非活動的快に有意差が認められた(t(58)=2.061,P<0.05)。聴取した音楽を好んでいたグループは、「非活動的快」値が上昇する事がわかった。また「癒し」項目についても、はっきりとした有意差が確認された(t(58)=5.624,P<0.000)。好みの音楽を聴いたときは、「癒される」と感じる度合いが、好まないと感じる音楽を聴いたときより大きくなった。それぞれのMMS因子の変化量と「癒し」項目から相関関係について調べたが、「癒し」得点と「抑うつ・不安」との間に、弱い負の相関関係があることが分かった(r=-0.32,p<0.05)。また、「癒し」得点と非活動的快との間にも、比較的強い相関関係があることが分かった(r=0.43,p<0.01)。「癒された」という感じは、「のんびりした」「おっとりした」などの非活動的快感情の増加とやや関連し、「不安な」「悩んでいる」等の「抑うつ・不安」感情の減少と関連する可能性が示された。
 本研究は、聴取用の音楽のテンポとメロディを変化させ、聴取後の感情と「癒し」感情がどのように変化するのか調査した。その結果、どの音楽聴取群でも、抑うつ不安的な気分(不安な、悩んでいる、気がかりななど)が減り、非活動的な快気分(のんびりした、おっとりした、のどかな)が増える事が分かった。抑うつ不安的な気分が軽減され、非活動的な気分が増える結果になった。音楽聴取による、ストレス軽減と、リラクゼーション効果が認められたと言えよう。テンポの違いにおいては、遅いテンポの曲を聴いたとき、活動的な快気分(活気のある、気力に満ちた、はつらつとしたなど)が減る結果となった。先行研究でもテンポと活性的感情との間に関係があることが上げられてが、今回の調査でも同じ結果を得ることができた。一方メロディに関しては、その複雑さとシンプルさと言う観点から調査したが、それら二つの効果をはっきりと見つけることができなかった。これは、感情に直接作用する調やコードを変化させなかった事に原因があると考えられる。曲に対する好みに関しても分析したが、聴取音楽を好んだグループは、非活動的な気分(のんびり、ゆっくりなど)に誘導され、「癒される」と感じることが分かった。曲に対する「好き嫌い」が癒し感情に重要な関係がある事が分かった。それぞれの感情因子と「癒し」感情の相関関係を分析したが、癒されると感じる音楽は、抑うつ・不安的な感情が減り、非活動的快な落ち着いた気分になっていく。音楽聴取がストレス軽減や、気分を落ち着かせる作用があると言えよう。 近年言われている音楽の、リラクゼーション効果、ヒーリング効果を、今回の調査で確かめる事ができた。音楽聴取は、抑うつ不安感情や非活動的な快感情変化に関係している。またテンポは、活動的な快感情の変化に関係している。「癒し」に関しては、曲の「好き、嫌い」が大きな影響を与えている。この結果から、リラクゼーション効果があるとされる音楽を聴取したとき、全ての人が癒されるのではなく、その曲を好む場合に、癒しの効果が現れると考えられる。反対に、リラクゼーション効果がないとされる曲を聞いたときでも、その曲を好んでいれば癒しの効果が現れる可能性があると推測された。


内藤 正智.(2006提出予定).音楽聴取後の感情変化についての研究-テンポとメロディと曲に対する好みが感情尺度と癒し感情に与える影響-,日本大学大学院総合社会情報研究科人間科学

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