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2006年4月

「ランボー3-怒りのアフガン-」

 オイラが中学のときか、映画館で見た。ランボー2はTVで見たのだが、3は友達と映画館に行った。まさに男の映画!!。女子が見てもさっぱり??のような気がする。見始めると、懐かしさと、スタローンのカコヨサに目がウルウルする。

 2(怒りの脱出)のとき、ベトナムに捕虜になっている米兵を救出するために、作戦に参加するランボーだったが。見事に仲間に裏切られ、ブチ切れ(メ゚皿゚)オラー!!。何とかベトナムから脱出し司令本部まで戻ってくると、M60乱射して本部をぶっ壊し、司令官にナイフを突きつけるという、男気あふれるランボー・・・。「任務は・・・果たしたぞ!!」

 そんな因縁があって、3のときに政府から頼まれる任務には、ちょっと消極的。そりゃそうだよね。親友のトラウトマン大佐が説得するもダメだった。それから少し経って、タイ?の寺院修復に汗を流すランボーに国防省のエージェントが、トラウトマン大佐がソ連軍に拘束されたと告げに来る。エージェント役は「ロボコップ」で悪の親分役だった、カートウッド・スミス。「ロボコップ」のクラレンス役がかなりの印象で、どうもいい人に見えない・・・。話が逸れたが、ランボーは「俺一人で行く!!」とトラウトマン大佐救出を引き受ける。なんて男気あふれる奴(´;ω;`)。

 そんなこんなでアフガニスタンに潜入するランボー。市場を歩くときもアフガン人と一緒の時も、西洋人なのもあるが、どうも堅気には見えないランボー・・・目立ちすぎ。それからアフガン人の案内で、ゲリラ基地に到着する。そこで、敵要塞内で兄を亡くしてしまった少年に会う。このクソガキが後先やっかいを生むのだが・・・。その少年が、ランボーのペンダントについて聞くと、「これは幸運のお守りなんだ・・・」と。これは、2のときに、ベトナム人美女?!戦士からもらう物だ。それからずっと持っているなんて一途だな~。女性といいことがあったのが、それっきりなのかもだけど(´;ω;`)ウウ泣ける。

 一時の休息であったが、ソ連軍ヘリコプターの奇襲攻撃を受けてしまう。ソ連軍の無情さに怒るランボー。その怒りは戦士の魂を蘇らせ、見事敵ヘリコプターを機関銃で撃破する。短い交流であったが、同士として次第にアフガン人戦士から信頼を獲得していく。戦いの中でしか彼の価値は見出せないのだ・・・。「ボトムズ」のキリコを思い出した(´ノω;`)セツネー。

 敵要塞に潜入するランボー。ソ連特殊部隊スペツナツをいとも簡単に処理する・・・さすが・・・。1度目は大佐救出に失敗してしまう。深傷を負うランボーだが、彼独自の治療法で応急処置(´@ω@`)キャー!!イタソウ。1の時は、自分の腕を縫合したりしてたが。3のときは、ナイフのグリップ部分に小物は入らないタイプだったので、そういう処置はできなかったのかも。1,2,3とナイフが変わっているのだが、ランボーはオーダーメイドで作らせているのだろうか。意外と金持ち?。それから、ロッククライミングなどして、2度目の潜入。そして見事救出!!。敵ヘリコプターをかっぱらって、捕虜となっているアフガン人も救出(´-ω-)イイヤツダ。

 ソ連軍司令官の執拗な追撃。それらを、お決まりとなっている弓矢で応戦。爆弾が付けられる弓矢とか、やっぱしオーダーメイドなんだろうか・・・。金持ち?・・・。何とかスペツナツの追撃を逃れるランボーとトラウトマン大佐だが、新たなるソ連軍師団の登場で窮地に立たされてしまう。それでも勇敢に戦う彼ら。一刻の静寂の中、地響きが・・・。それは、馬を駆るアフガン人戦士達の、進軍の音だった・・・。

 ふー、昨日の情動が収まらないのか、熱くレビューをかいちまったぜ(´ノω<`)。それにしても、懐かしいし、カッコイカッタな~。青春の映画だったからね。
最後に、

「この映画をアフガン人戦士達に捧げる・・・」と出る。

 別の意味で泣けた・・・。まさかね、10年後には・・・。そういうの気にしなければ楽しめる映画だと思う。


レンタルだったらこっち(,,・∀・,,)ノ

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音楽聴取後の感情変化についての研究-テンポとメロディと曲に対する好みが感情尺度と癒し感情に与える影響-

1 はじめに

 現在の社会は、ストレスの多い社会といわれている。そのような中で、リラクゼーションに関する関心が高まっている。その一つの方法として音楽があげられるだろう。ヒーリング音楽やリラクゼーション効果などを謳った商品が、数多く店頭に並んでいることからもこのことが分かる。音楽はTV、商店やレストランのBGMなど、我々の身近なところで利用され、音楽を耳にしない日がないほどとなっている。このように日常よく利用され、我々に生活に浸透している音楽だが、どのような曲が人の心を癒すのだろうか?。本研究では、音楽を利用した癒しについて、音楽の重要な構成要素であるテンポとメロディの両観点から考察したい。



2 問題

音楽と「癒し」の関係

 みつとみ (1999) は「癒し」と関連がある音楽のジャンルとして、「ヒーリング音楽」をあげている。そこで、ヒーリング音楽とは精神的な癒しを目的として製作された音楽で、心をリラックスさせる効果があるもの、と述べている。また 村井 (2001) は音楽療法の立場から音楽と「癒し」について考察しているが、イライラしている、緊張状態、憂鬱、不安ななどの心理状態のときに、音楽を聞きその心理状態を緩和させること、と述べている。栗原・伊藤 (2001) は音楽聴取前後の感情変化について調査しているが、音楽聴取後は抑うつ・不安的な感情が減ることが報告されている。音楽を利用した「癒し」とは、音楽聴取時に抑うつ・不安的な感情を減少させ、心を穏やかな気分にさせ、より心身をリラックスした状態にすることといえる。

 本研究では音楽を使った「癒し」について、抑うつ・不安感情を軽減させ、沈静的気分を向上させるものと定義する。上記のように音楽には「癒し」の効果があるといえるが、音楽的な特徴(テンポや調、ジャンルなど)が様々にあり、どの要素がリラクゼーションに関係しているのか定かではない。音楽的な要素を統制し、音楽と「癒し」の関係を調査することが重要だろう。



音楽的要素についての調査

 テンポについては先行研究によって、その違い(早いテンポ、遅いテンポ)による感情の変化について調査されている(Balch & Lewis, 1999; Balkwill & Thompson, 1999; Husain, Thompson, & Schellenberg, 2002)。これらによれば、速いテンポは「活力」や「活発」などの覚醒に関連した感情を起こさせ、遅いテンポは不活性的な落ち着いた、沈静的な気分にさせることがあげられている。

 メロディに関しては、Balkwill & Thompson (1999) が複雑なメロディは「怒り」や「悲しみ」の感情に関係があり、シンプルなメロディは「ポジティブ感情」や「喜び」「穏やかさ」などの感情に関係があることをあげている。William & Benjamin (1996) は「モーツァルト ピアノソナタK309」を使用して、被験者を活性的気分に誘導する実験を行っている。k309の譜例を図1にあげるが、様々な音符が用いられていることが分かる。 松田・厚味・鈴木(1998) は「心が安らぐ」「心がいやされる」音楽について調査しているが、上位三位までにあげられた曲(エンヤ・ウオーターマーク、リスト・愛の夢第3番、神山・水色の幻想)を調査したところ、メロディはシンプルであることが分かった。メロディの複雑とシンプルさには、聴取後の感情に与える何らかの影響があると思われる。ウォーターマークの譜例を図2に示した。



図1. K309譜例





図2. エンヤ、ウオーターマーク譜例



Thompson, Schellenberg, & Husain (2001) はモーツァルトの K448(ピアノ・ソナタ、ニ長調)とアルビノーニのAdagio ト短調 for Organ and Stringsの両作曲家による曲を使って、聴取後の気分変化の差をPOMS(Profile of Mood States)を用いて調査している。尺度は、活力・活気的気分(lively,active,energeticなど)に関する五項目で活性的気分を測定し、憂うつ的気分(sad,unworthy,discouragedなど)の五項目で沈静的気分を測定している。その結果、モーツァルト聴取群は活性的な気分が高まり、アルビノーニ聴取群は沈静的気分が高まったと報告している。





 図3. K 448(冒頭部分)譜例



 しかしこれらの二曲は、調が異なり(長調と短調)、演奏に使用されている楽器の種類(ピアノとパイプオルガン・弦楽器)も異なる。それらの音楽的特徴の違いからも、誘導される気分に差が生じてくるだろう。このように音楽は、様々な因子が絡み合って、感情に影響を与えている。音楽と感情変化について調査する場合、これらの音楽的な因子を統制する必要がある。ここで、これらの曲をメロディとテンポから見てみると、K448はメロディが複雑でテンポが早い、アルビノーニのAdagio ト短調はメロディがシンプルでテンポが遅いという特徴があった。テンポとメロディの影響についてはすでに述べたが、最も基本的な音楽の構成要素ともいえるこれらの二つが、音楽聴取時の感情変化に大きな影響を与えていると考えられる。

 松田・厚味・伊東 (2001) と 松田他 (1998) はそれぞれ、「元気になる音楽」と「心が癒される音楽」について調査している。これらの調査の中で上位にあげられた曲を聴き、譜面などから音楽的特徴を検討した。その結果、1)元気がでる音楽は、リズムが強調され、テンポが比較的早い特徴があった。2)癒される音楽については、リズムはそれほど強調されず、テンポがゆっくりで、メロディーがシンプルであることが分かった。これらの考察から、Thompson et al. (2001) の沈静的気分誘導音楽と 松田他 (1998) の「癒し音楽」との間に、メロディとテンポに関して共通点が見つかった。



音楽の好みを考慮した研究

 Laura, MacDonald, & Eric (2005) らは、冷水を使った痛みをどれくらいの時間耐えることができるかを、好みの音楽を聴いた場合と、算術問題を計算させた場合で比較している。聴取用の音楽は、被験者に自由に選択させている。そこでは、好みを音楽を聴いた群がより長く痛みに耐えることができる結果となっている。また、Darcy (2003) は好む曲と音楽を聴取しない場合で、不安に関する値を調査している。実験は、音楽を聴取させる二群(好みのジャンル、好みの歌)と、聴取しない群を使って行われた。音楽を聴取する群は、好きなジャンルを選択させる群と、好みの曲を選択させる群の二群で、それぞれの群での条件内で自由に選択できた。その結果、不安抑制に好みの音楽が有意であることが報告されている。このように曲に対する好みは、感情変化に対して重要な要素になると考えられる。

 上記の調査では好みの音楽の効果が明らかにされているが、両研究で用いられている曲はジャンル、テンポ、音色などまちまちである。多数ある音楽の因子の、何が影響を与えているのか定かではない。音楽の構成要素に焦点を置くならば、これらの条件を統制して調査を行うことが重要だろう。



3 目的

 本研究では、テンポとメロディが与える心理的効果について検証する。また、音楽に関する好みが、「癒し」感情に与える影響についても調査する。「癒し」とは、抑うつ・不安的な感情を減少させ、より沈静的な気分にさせることとする。テンポがゆっくりでメロディがシンプルな音楽は、沈静的で癒し効果があるだろう。また、テンポが早くメロディが複雑な音楽は、活動的な気分に誘導する効果があるであろう。このテンポとメロディが活性と癒しに与える影響を図4に示した。テンポ(fast or slow)とメロディ(simple or complex)の異なる曲を四曲作曲し、それを被験者に聴かせ、その後の感情状態を測定する。





図4. テンポとメロディが活性と癒しに与える影響。赤色は活性の度合いを表し、緑色は癒し・安らぎ の度合いを表している。その色が濃くなれば、その度合いが高まっていることを示している。



 音楽に対する好みは、聴取後の質問紙に項目を設け被験者に答えさせる。その結果から、好みが「癒し」感情に与えている影響を分析する。

4 方法

被験者

 日本電子専門学校(電子工学科)の生徒60名(男55名、女5名)。年齢は18歳から33歳の幅があった。その中で音楽経験者(楽器演奏など)が30名おり、音楽訓練の平均年数が4.87年(SD=4.38,年数の幅は半年から15年間)だった。



聴取用音楽

 メロディがシンプルか複雑(simple[S]or complex[C])か、テンポが早いか遅いか(fast[F] or slow[S])で以下四つのバージョンを作成する。

①テンポが早く、メロディがシンプルな音楽(fast tempo-complex melodies:以下、FC)

②テンポが遅く、メロディが複雑な音楽(fast tempo-simple melodies:以下、FS)

③テンポが遅く、メロディがシンプルな音楽(slow tempo-simple melodies:以下、SS)

④テンポが遅く、メロディが複雑な音楽(slow tempo-complex melodies:以下、SC)



1)メロディについて

 本研究では、シンプルなメロディはエンヤ・ウォーターマーク (エンヤ, 1998) を使用した。複雑なメロディには、先行研究であげられている複雑なメロディを持つ曲を参考にして、ウォーターマークの音はそのまま変化させず、音符を追加して作成した(図5参照)。





図5. シンプルなメロディ(上)と複雑なメロディ(下)の例。複雑なメロディは、シンプ ルメロディに音符を追加して作成した。



 追加した音符は、ウォーターマークのメロディ部分に使われているもの以外を使った。メロディ、テンポ以外の音楽的な変化を統制するため、コード進行、伴奏、音色などは各バージョン全て同様とした。音色はMIDI音源にプリセットされている「グランドピアノ」を使用した。ウォーターマークは冒頭で図1に譜例をあげているが、使用されている音符は、二分、四分、八分音符と、比較的長い音を奏でるものが多い。使用されている音符の種類も少なく、音程の変化も少ない。刺激の少ないメロディといえるだろう。複雑なメロディは、リズム、音程など、多彩な音の変化を与えた。音の細かい動きが見られ、刺激の多いメロディといえるだろう。

 これらの二曲を、シンプルなメロディと、複雑なメロディとして、調査に用いた。それらの各曲を、音楽シーケンスソフトウェア(XGworks ST Ver2.0.7J)とYAMAHA MIDI keyboard CBX-K1を用いて入力し、加工した。



2)テンポについて

 テンポに関しては、fast[F]とslow[S]をそれぞれ、160と80bpm(四分の四拍子)とした。それらの曲を「ONKYO MA-700A」と「PIONEER DVR-A08」を使用して、MIDI音源(YAMAHA MU100)から、アナログ音楽CDを作成した。そのCDをラジカセで再生し調査した。聴取時間は約210秒とした。テンポが速く演奏が早く終わる群は、210秒に満たないため、同じ曲を繰り返し聴取させた。



音楽聴取前の気分調査

1)MMS(多面的感情尺度)

 寺崎・古賀・岸本 (1991) が作成したMMS(Multiple Mood Scale:多面的感情尺度)を使用した。MMSは8因子から構成されているが、今回の調査に関係があると考えられる3因子を選び調査に使用した。それぞれ、「抑うつ・不安」(不安な、悩んでいる、気がかりな、自信がない、くよくよした)、「非活動的快」(のんびりした、おっとりした、ゆっくりした、のどかな、のんきな)、「活動的快」(活気のある、気力に満ちた、元気いっぱいの、はつらつとした、陽気な)の3因子(各因子5項目)を使用した。聴取音楽に「癒し」の効果があれば、「抑うつ・不安」感情は減ると考えられる。また、テンポとメロディは活性、不活性な気分と関係していると予測されるため、それらの気分を表している「活動的快」と「非活動的快」因子を用いることにした。それぞれの項目は、「全く感じていない」の1から、「はっきり感じている」の5までの、5段階で答えさせた。



2)音楽経験の有無

 音楽経験に関する項目を追加した。音楽経験の有無(はい・いいえ)と、「はい」と回答した場合にはその年数を回答させた。



音楽聴取後の気分調査

1)MMS(多面的感情尺度)

 音楽聴取前と同様に、寺崎他 (1991) のMMSから選択した3因子15項目について、5段階で評価させた。



2)「癒し項目」

 「心がやすらぐ」と「心が癒された」の2項目を用いた(松田他, 1998)。MMSと同様に、「全く感じていない」の1から、「はっきり感じている」の5までの、5段階で答えさせた。

3)聴取音楽の好み

 聴取した音楽への好みを調べるため、「好きだったか?」の1項目を追加した。回答は「はい・いいえ」で単一回答させた。



調査手続き

 調査は各聴取音楽群(FC,FS,SS,SC)15名ずつで行った。調査開始前、被験者に調査に関する説明、データ管理、個人情報の管理などについて説明した。その後、現在の感情(音楽聴取前感情)に関する質問に答えさせた。次に音楽を聴取させた。最後に、聴取後の感情を答えさせた。調査時間は全て合わせて約10分だった。



5 結果

テンポとメロディについて

1)MMSについて

①聴取前後の平均値の比較

 聴取前と聴取後のMMSについて、テンポ(Fast VS Slow)×メロディ(Complex VS Simple)×聴取前後(前×後)のMANOVAを行った(表1)。



表1. 各聴取音楽群(各群とも、N=15)の聴取前と聴取後のMMS値の平均値(SD)





 その結果、聴取前後の「抑うつ・不安」に主効果が認められた(F(1,56)=18.41, p<.00)。また、「非活動的快」においても、聴取前後に主効果が認められた(F(1,56)=4.853, p<.05)。どのタイプの音楽を聴いた場合でも、聴取後は「抑うつ・不安」が減り、「非活動的快」が増えることが分かった。「活動的快」においては、聴取前後のMMS値とテンポとの間に交互作用が認められた(F(1,56)=5.37, p<.05)。下位検定として多重比較検定(Bonferroni)を行ったところ、テンポが遅い曲を聴いたときは、「活動的快」の値が減ることが分かった(F(1,56)=8.73, p<.01)。



②聴取前後の変化量

 MMSの変化量を調査するため、「聴取後値-聴取前値=変化量」の計算を行った。分析には計算後の「変化値」を用いた(表2)。テンポ(Fast VS Slow)×メロディ(Complex VS Simple)のMANOVAを行った所、「活動的快」においてテンポによる主効果が認められた(F(1,56)=5,37, p<.05)。テンポが遅い曲を聴取した場合、「活動的快」が減ることがわかった。その他の「抑うつ・不安」、「非活動的快」には有意差が認められなかった。



  表2. 各聴取音楽群(各群とも,N=15)のMMS値と「癒し」得点値の平均値(SD)





2)「癒し」項目について

 各群の「癒し」項目について、MMSと同様にMANOVAによる分析を行った。しかし、各群とも有意差は認められなかった。メロディに関しては差が認められる傾向だったが(F(1,56)=3.67, p=.061)、はっきりとした統計的な差はなかった。各音楽群の平均値を図6にグラフで示した。

    

    図6. 各音楽群の「癒し」項目の平均値。



音楽の好みについて

1)MMSと好みの関係

 MMS変化量について、音楽聴取後の質問項目である「曲は好きだったか」の答え(はい(N=36)、いいえ(N=24))による2グループで分析を行った。t検定の結果、非活動的快に有意差が認められた(t(58)=2.061, p<.05)。聴取した音楽を好んでいたグループは、「非活動的快」値が上昇することがわかった。図7に各感情因子の平均値を示す。それ以外のMMS因子は有意差は認められなかった。

                                       

 図7. 各MMS値の好み別平均値グラフ





図8. 「癒し」項目の好み別平均値グラフ



2)「癒し」項目と好みの関係

 MMS因子と同様に、「癒し」項目についても好みの関係を分析した(図8参照)。t検定の結果、曲を好む群と、好まない群とで、はっきりとした有意差が確認された(t(58)=5.624, p<.000)。前項の音楽群での検定では差が出なかった「癒し」項目だが、好みに関しては、強い関係があることが分かった。好みの音楽を聴いたときは、「癒される」と感じる度合いが、好まないと感じる音楽を聴いたときより大きくなった。



3)音楽の好みを考慮した場合のテンポとメロディとMMS値変化に与える影響について

 音楽の好みがMMS変化に影響を与えていることがわかった。次に音楽の好みを考慮した分析を行った。

 テンポ(Fast VS Slow)×メロディ(Complex VS Simple)×好み(はいVSいいえ)のMANOVAを行った所、「活動的快」にテンポと好みの間に交互作用が認められた(F(1,52)=4.50, p<.05)。また、テンポ、メロディと好みの間にも交互作用が認められた(F(1,52)=4.40, p<.05)。「活動的快」の平均値を、音楽聴取群ごとに好み別(はい、いいえ)にグラフで示した(図9)。





図9. 各音楽群の好み別「活動的快」値の平均値グラフ



 下位検定として多重比較検定(Bonferroni)を行ったところ、テンポと好みに関しては、早い曲を好んだ場合は「活動的快」が増加し、反対に遅い曲を好んだ場合は値が減少することが分かった(F(1,52)=12.64, p<.01)。曲を好まなかった場合は、差は見られなかった(F(1,52)=.005, n.s.)。

 同様にテンポ、メロディと好みに対して多重比較検定を行ったところ、複雑なメロディを好んだ場合は、速いテンポの曲を聞くと「活動的快」が増加し、遅いテンポの曲を聴くと減少することが分かった(F(1,52)=11.82, p<.01)。また、遅いテンポを好んだ場合、複雑なメロディを聞くと「活動的快」が減り、シンプルなメロディを聴くと値が増えることが分かった(F(1,52)=4.311, p<.05)。遅いテンポで複雑なメロディを持つ曲を聴いたとき、曲を好むと「活動的快」が減り、好まなかった場合は値が上昇することが分かった(F(1,52)=7.433, p<.01)。



MMS因子と「癒し」項目の相関関係について

 音楽条件や好みの間に関係が認められたMMS因子と「癒し」項目だが、それぞれのMMSの変化量から相関関係について調べた。表3に相関係数と有意確率を示した。

 その結果、「癒し」得点と「抑うつ・不安」との間に、弱い負の相関関係があることが分かった(r=-0.32, p<.05)。また、「癒し」得点と非活動的快との間にも、比較的強い相関関係があることが分かった(r=0.43, p<.01)。「癒された」という感じは、「のんびりした」「おっとりした」などの非活動的快感情の増加とやや関連し、「不安な」「悩んでいる」等の「抑うつ・不安」感情の減少と関連する可能性が示された。



表3. 各MMS項目と「癒し」項目値との相関係数(危険率)         



6 考察

本研究は音楽を聴取した後で、人の感情と「癒し」感情がどのように変化するのか調査した。音楽的な特徴であるテンポとメロディを変化させ調査を行った。聴取前後の比較では、どの音楽聴取群でも、抑うつ不安的な気分(不安な、悩んでいる、気がかりななど)が減り、非活動的な快気分(のんびりした、おっとりした、のどかな)が増えることが分かった。メロディ、テンポに関わりなく、抑うつ不安的な気分が軽減され、非活動的な気分が増える結果になった。音楽聴取による、ストレス軽減と、リラクゼーション効果が認められたといえよう。

 テンポの違いにおいては、「活動的快」値が関係していることが分かった。遅いテンポの曲を聴いたときは、活動的な快気分(活気のある、気力に満ちた、はつらつとしたなど)が減る結果となった。冒頭部分で紹介した先行研究でも、テンポと活性的感情との間に関係があることがあげられてる。今回の調査でもこれらと同じ結果を得ることができた。

 一方メロディに関しては、その複雑さとシンプルさという観点から調査した。しかし、それら二つの効果を、はっきりと見つけることができなかった。Lise & Isabelle (2003) と Willam & Timothy (2001) は、メロディを変化させず調を変化させ調査を行っている。本研究はメロディそのものを変化させ調査したが、調やコードは変化させなかった。メロディによる違いを見出せなかったのは、感情に直接作用する調やコードを変化させなかったことに原因があると考えられる。

 音楽による癒しを考えるときに、曲に対する「好き、嫌い」は重要な要素になる。本研究でも聴取音楽の好みを調査した。聴取音楽を好んだグループは、非活動的な気分(のんびり、ゆっくりなど)に誘導され、「癒される」と感じることが分かった。「癒し」に関しては好みによる差が顕著に表れた。好きな音楽を聴いたとき、人は癒されると感じることが分かった。テンポやメロディの変化に関わりなく、曲に対する「好き嫌い」が癒し感情に重要な関係がある。「活動的快」に関しては、ゆっくりなテンポを好んだグループが、その値が小さくなることが分かった。

 音楽聴取後の感情変化について、変化が認められる因子があった。各因子の相関関係を調査したところ、1)「癒し」得点と「抑うつ・不安」との間に弱い負の相関関係があり、2)「癒し」得点と非活動的快との間に比較的強い相関関係があることが分かった。曲を聴取したとき、癒されると感じる音楽は、抑うつ・不安的な感情が減り、非活動的快な落ち着いた気分になっていく。このことは音楽聴取がストレス軽減や、気分を落ち着かせる作用があることを示している。

 近年いわれている音楽の、リラクゼーション効果、ヒーリング効果を、今回の調査でも確かめることができた。音楽聴取は、抑うつ不安感情や非活動的な快感情変化に関係している。またテンポは、活動的な快感情の変化に関係している。「癒し」に関しては、曲の「好き、嫌い」が大きな影響を与えている。この結果から、リラクゼーション効果があるとされる音楽を聴取したとき、全ての人が癒されるのではなく、その曲を好む場合に、癒しの効果が現れると考えられる。反対に、リラクゼーション効果がないとされる曲を聞いたときでも、その曲を好んでいれば癒しの効果が現れる可能性がある。

 音楽は、メロディ、テンポ、コードが三大要素といわれている。本研究はそのメロディとテンポに焦点を当て、調査を行った。テンポ、調に関わる研究は多く見られるが、それ以外のコード、メロディに関する研究は少ない。ここにあげた以外にも音楽には様々な要素が、感情に影響を与えていると思われる。また「癒し」関する影響も多数存在すると思われる。Jonathan & Caral (2004) はクラシック音楽とニューエイジ音楽の異なる二つの音楽ジャンルから、リラクゼーション効果について検証している。また先にあげたDarcy(2003) は、音楽のジャンルと好みの歌の効果を、不安感情の軽減から検証している。音楽には多数のジャンルが存在するため、それらに関しても調査する必要があるだろう。今後、「癒し」と音楽の関係について、多数の音楽的要素を、様々な角度から調査していくことが望まれる。





引用文献

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William R. Balch., & Benjamin S. Lewis. (1996). Music-Dependent Memory:The Roles of Tempo Change and Mood Mediation, Journal of Experimental Psychology:Learning Memory and Cognition, 22(6), 1354-1363.

全音ピアノ名曲100選(上級編) (2004). 全音楽譜出版社



著者:

日本大学大学院総合社会情報研究科

人間科学専攻 博士前期課程

内藤 正智

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「恋におぼれて」

 ザ・ラブコメディ!!という感じの映画。カメラマンのマギー(メグ・ライアン)と天文学者のサム(マシュー・ブロデリック)が別れた恋人に対して、マギーは復讐、サムは元カノを取り戻すため、彼らが住むアパートの向かいのボロアパートからストーキングし始める。片方はラブラブ、もう一方は復讐と奪還に燃える二人と、恋愛の状況は全く違う二組が、向かい合うアパートで同棲生活?!をしている。アパートも、ラブラブ組は高級&綺麗だが、怨念組はボロ屋&解体寸前だ。そんな、愛情の状況をそのまま表している様な住処のコントラストも楽しい。
 偶然に似通った目的のもと出会ったマギーとサムだが、荒んだ心の二人は、初めいがみ合ってしまう。しかし、次第に同じ目的を持つ者同士として、打ち解け、そして惹かれあっていく・・・。マギーは元彼の全て(財産、地位、そして恋人)を奪うため、様々な工作をする。それを手助けするサム。二人の目的は無事?!達成されるが。
 元カノのところへ戻っていくサム、そして全ての復讐を終えたマギー。お互いの気持ちに気づき始めた二人だが、サムは故郷に帰るため飛行機に乗ってしまう。彼は、マギーが今幸せな事を知らせるため、元彼に最後に見せるはずだった写真がポケットに入っているのに気がつく。その写真の内容を知らなかったサムだが、帰郷の飛行機の中で初めてそれを見る。そこには、サムとマギーがキスしている写真が写っていた・・・。
 マギーの元彼はチェッキー・カリョ。「ニキータ」とか「ザ・コア」でてた人ですね。サムの元カノはケリー・プレストン。美人だな~と思っていたが、どこかで見た気もすると気になっていたが。「ザ・エージェント」でトム・クルーズの彼女役で、別れた後トムをぶん殴る女の役なんですね。
 映画の洋題は「ADDICTED to LOVE」。「addicted」は、夢中にさせて、みたいな意味らしいが。中毒になる、みたいな意味もある。適度な恋いをしたいものですな(*´・ω・`)ゞ。というか、後腐れ無い?!。

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