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日本の宗教の特色(草稿)

 一 宗教とは?

 宗教とはウィキペディア(二〇〇七)によれば、「神・超越的な存在などを信仰し礼拝などの活動をすること」とある。このような行いは人類の創世から存在したと考えられる。自然や災害、超越的な者に対する畏怖の念からの崇拝より起こってきたと推測され、原始宗教と呼ばれる。主な形態としては、自然崇拝、アニミズム(精霊信仰)、シャーマニズム、呪物崇拝などがある。
 原始宗教は様々な神を信仰する多神教であることが多い。多神教とは、一つの神を信仰する一神教と区別するときに用いられる語である。日本の「八百万の神々」などは多神教である。キリスト教、イスラム教などは、一神教に属する。

 二 日本の宗教の特徴

 二・一 日本の宗教の歴史
 まず、現代の日本の宗教について述べる前に、簡単にその歴史を振り返りたい。日本古来の宗教といえば、神道があげられる。これは「八百万神」を信仰する日本の民族宗教である。大島(2007)によれば、神道の原型は弥生時代から古墳時代にかけて形成されたとある。
 その後六世紀半ば、仏教が伝えられた。やがて仏教は国家の思想的な基盤として活かされ、日本で発展していく。
 一六世紀にはキリスト教が伝わり、さらに日本の宗教は複雑化していくことになる。江戸時代は鎖国の妨げとして迫害を受けることとなる。明治時代に入ると、憲法によって宗教の自由が定められ、やっと自由が保障された。
 それ以降では幕末と戦後の二度、新宗教ブームと呼べるほどの勢いで新しい宗教が興った。幕末では天理教や金光教、戦後では立正佼成会や創価学会が興起された。
 このように日本では多様な宗教が存在し、西洋と東洋の思想が併存している、多彩な宗教文化国といえる。
Fig1

 二・二 新興宗教について
 日本では大変な数の新興宗教があるが、それに伴って神(そう崇められているという意味)の数も多い。日本の宗教の特徴といえる新興宗教であるから、簡単に第二次世界大戦前後の歴史を述べておこう。
 戦中は天皇を神と祭り上げ、国策として神社への参拝が政府によって強制されていた。しかし、総国民(反対派はいただろうが)の祈りもむなしく、神国たる日本は戦争に負け、日本国民は悲哀の中で生きることとなった。
 その後の戦後の混乱の中で、人々の救いの要求に応えるような、新しい宗教が数多く興った。これが先に述べた戦後の新宗教ブームの背景である。
 荒れた社会や困窮する生活の中で救いを求めるのは当然とも思えるが、これほどまでに新興宗教が増えたのは時代的な背景もあろうが、もともと多神教であったから、色々な神が現れてもそれらを容易に受け受け入れやすい体質があったからだろう。

 二・三 日本の宗教の実情と特徴
 では現在の日本人の宗教観はどうかといえば、初詣や七五三、安全祈願や合格祈願など、宗教儀礼に対する関心は高い。また、宗教の枠を越えて、クリスマスやバレンタインデーなどのイベントを、企業も積極的に利用している。
 しかし、大島(2007、P328) によれば、「『宗教を熱心に信仰している』と答えた人は、全体の九パーセント」という結果だった。実際の儀式には参加しても、宗教に対する帰属意識は低いといえる。
 ウィキペディア(二〇〇七)で芥川(1993)の短編小説を紹介しているが、古来から神道などの「八百万の神」を崇めるという独特の宗教観を持つ日本では、釈迦もキリストも神々の一人という扱いになり、ある特定の宗教を根付かせにくい、と述べられている。

 二・四 日本人の宗教に対する意識
 歴史的経緯もあって、日本人は困難から逃れる事、欲の成就などを神を祈る事を宗教だと考えている。新興宗教でいえば、開祖を神として信者がそれを祈り、幸せを願うといった形である。別の例でいえば、神社へ行って商売繁盛、厄払い、家内安全などの、祈祷、祈願を行うことである。
 これまで述べてきたように、日本人の宗教意識の根底にあるのは何かを信仰するというより、神のような超越的な存在による救いや恵みなのである。願いが多ければ多いだけ、たくさんの神がいた方が都合がいいのかもしれない。

 三 これからの宗教はどうあるべきか

 現在、台風が風神によって起こされるものではなく、熱帯低気圧によって起こされる気象現象であることは誰でも知っている。このように、人工衛星の目が地表を見ている現在でも、魔除けや厄払いに意味があるのだろうか?。それらを行うのは個人の自由であって、強制的に抑止されるものではない。だれでも占いや運勢などは気になるものだ。その行事を「宗教」なのだ、と捉えることに問題がある。
 仏教でいえば本来の意味は、修行によって精神性を高めることが目的だったはずだ。救いは超越的な存在の力ではなく、個人の実践によるものと説かれている。それがいつの間にか仏像を拝み、幸せを願い、葬式を行うだけのものなってしまった。それらは釈迦が伝えた教えとは別のものである。
 悟りを開くどころか神様からの利益還元だけを求めるという、原始宗教の特徴そのままの日本人の宗教意識は、幼稚といわざるを得ない。そのような超自然的な現象や物を崇める原始的な宗教から抜けだし、本来の宗教の意味を考え直す必要があるのではないだろうか。

 参考文献

 芥川龍之介(1993) 神神の微笑 http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/68_15177.html
 ウィキペディア(二〇〇七) http://ja.wikipedia.org/wiki/
 大島宏之(2007) この一冊で「宗教」がわかる! 三笠書房
 文部科学省 宗教統計調査(承認統計) http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index39.htm


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