カテゴリー「音楽」の11件の記事

オーディオテクニカの「ATH-CKL203」を買ってみる♪

Img_0064001
音楽を聴いていて、な~んか左だけ聞こえにくいな~なんて思っていた。もしかして、耳が悪くなったか??なんて思ったら、壊れてたcoldsweats01。で、新しいのを買ってみましたnote

買ったのは、オーディオテクニカ(audio-technica)の「ATH-CKL203」(色はブラッククレイジーです)です♪。今まで使っていたのは「ATH-CKS90NC」なんですが、それと比べると音がチープではあるnotecoldsweats01note。低音はあまり鳴らないし(聞こえてないだけなのか)、高音のキンキン音がとても目立つ・・・。でもまあ、安いし、デザインはかわいいのでいいけどさflair


| | コメント (0) | トラックバック (0)

「トップガン オリジナル・サウンドトラック」

81twlumavl
久々に「デンジャー・ゾーン」(Danger Zone)聞きたいな~と思ってiPod探してたらなかったsadあれ・・・録音しないで売ってしまったのかしら・・・。というわけで、DMMで借りて聞いてみたnote。何もかも懐かしいわtvconfident。この映画は大好きで、何回も見てた。音楽も好きで、サントラ買って聞いてた。

借りたのは僕が持っていたやつとはちょっと違って、「Great Balls Of Fire」(グースがオルガンだかピアノで弾いた曲)とかも入ってた。ちなみに、この弾いてた場所に実際に行ったことがあるので、そのときの話はそのうちflair

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「夢をあきらめないで」岡村孝子

いい曲だし、かつ歌ってる人が美人lovelyこれ以上ないな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

思い出の楽曲・・・

 僕が最初に買った音楽ものは、ゲーム「ドラゴンクエストⅡ」のBGMのカセットだったな~。ゲームをやっていて、すげーsign03こんな音楽どうやって作るのcoldsweats02と驚愕していた、当時小学生のあたし。オーケストラバージョンでカセットが出るflairと聞いて直ぐに買いに行った気がする。

 上記のは「最初に自分で買った音楽カセット」なわけだが、「最初に自分で買ったCD」だったら映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のサントラだったかな。昔からサントラやBGMが好きだったので、こういうCDは今でもよく買う。

 なんか懐かしくなったんで、聞いてみるかなnoteconfident。音楽はいいねnote




コネタマ参加中: 初めて自分で買ったCD(レコード)を教えて!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

平井堅 「いつか離れる日が来ても」

これはいいweep宮沢りえはいいもわるいもないが、歌が・・・。僕的には、「瞳をとじて」のPVに出てた女優さんが好きなんだけどね。

別れることに関して、

恋愛では、別れを後悔する。離婚すると、結婚したことを後悔する。

僕の周りの人を見てると、そんな気がする。後悔しない人生などないから、「悔いのない人生にしよう!」なんて言うわけだ。

この歌は、自分にとって大切な人とはなにか、それを失ったとしたらどうだろう?と歌っている。何をやっていても不安なときはあるし、不安な気持ちを振り払うため何かをするからといって、後悔が起きないわけではない。じゃあ何もしなければ?と思うが、何もしなければ、何かすればよかったと後悔するに違いない。

傲慢や怠慢はよくないと前置きをするが、こう思えばいいと思う、「自分は間違っていない、これでよかったんだ」と。そう思って、また立ち上がればいい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

研究の覚え書き、その壱(モーツァルト効果)

 僕は、音楽聴取後の人の感情の変化について調べている。その調査過程で、ブログの記事になりそうなものがあったら、それを覚え書き程度に書こうと思った。できるだけまともな文章に書きたいつもりだが、誰のチェックも審査も受けていないので、皆さんにどのように思われるか不安だ・・・( ;´∀`)。と無駄な前置きはやめにして、さっさと書き始めようかな。
 1、モーツアルト効果なのか?
 巷ではモーツアルトの曲がもてはやされているらしく、様々な事が言われている。モーツァルト療法、モーツァルト効果、モーツァルトリラクゼーション効果・・・。などなどたくさんのものがあふれている。そんな効果が果たしてあるのだろうか?。僕が参考文献を集めているときにも、「Morart effect」という文字を多く目にした。多くの人がモーツァルトの曲の効果に興味があるのらしい。これだけ多くの研究者が興味をそそられているモーツァルトを、まったく無視することはできまい。と言うことで、僕はモーツァルトが嫌いなのだが、曲を聴いたり、譜面を見たりした。

 1.1 モーツァルトの曲と、気分、空間認知能力向上の関係
 Gabriela,William&E.Glenn(2002)は、音楽聴取したとき、その曲のテンポ、調が、気分と空間認知に与える影響を調査している。その中で、モーツァルトのK448(ピアノ・ソナタニ長調)を題材にそれらを調査している。Gabriela et al.はK448の第1楽章を上級者のピアニストに弾かせ、それをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データに変換した。そのデータから聴取用の音楽として、1,Fast-maior、2,Fast-minor、3,Slow-major、4,Slow-minorの四つのバージョンを、音楽用シーケンスソフト(Performer)を使い作成している。また、人の空間認知能力、感情調査にはそれぞれ、paper-folding-and-cutting(PF&C)tasksと、The Profile of Mood States(POMS)を使用している。結果として、
1)空間認知能力向上は、遅いテンポより、速いテンポの方が向上し、その効果は長調の方が著しかった。
2)気分については、早いテンポは覚醒を促すこと。長調はポジティブな感情を、単調はネガティブな感情へと変化させること。気分については、テンポは関係性がない。と結論は述べられている。
 この研究ではモーツァルトのピアノソナタを題材に調査している。しかし、その他作曲家によるの曲との比較はしていない。William,E.Glenn and Gabriela(2001)やJonathan and Carolはモーツァルト作曲の曲と、そのたの作曲者による曲との比較を行っている。それはまた機会があったら紹介したい。

参考文献

Gabraiela Husain.,Willam Forde Thompson.,& E.Glenn.(2002).Effects of musical Tempo and Mode on Arousal,Mood,and Spatial Abilities.Music Perception,20(2),51-171.
林知行.(1997).標準 ポピュラー音楽理論,シンコーミュージック.
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
William Forde Thomposon,,E.Glenn Schellenberg,.& Gabriela Husain.(2001).AROUSAL MOOD AND THE MOZART EFFECT.American Psychological Society,12(3),248-251.


Sonata for 2 Pianos in D, K.448: I. Allegro con spirito


| | コメント (0) | トラックバック (1)

音楽療法から見たポピュラー音楽の有効性の考察

報告書概要

学生番号 972-164***-3
氏名 内藤 正智         
所属専攻 発達と教育       

音楽療法から見たポピュラー音楽の有効性の考察

 現在、音楽療法ではクラシック音楽を使った治療、およびその理論が多い。しかし「音楽」を媒体とするなら、クラシック音楽でもポピュラー音楽でも音楽療法に効果があるのではないだろうか。本論文ではポピュラー音楽が音楽療法的に有効であるかどうかを検討するのが目的である。
 そのための方法として各種音楽療法の文献を調査し、音楽療法的に効果があるとされるクラシック音楽、ポピュラー音楽の曲を選定した。次にその曲を受動的音楽療法からみた視点で考察した。考察した点は、リズム、音階、コード進行、音量、音色などである。
 結論として、癒しの効果があるとされるクラシック音楽と、ポピュラー音楽の曲に多くの共通点が見つかった。これにより、ポピュラー音楽でも音楽療法的に有効であると推測された。


目次

はじめに

第1章 ポピュラー音楽のジャンルと音楽療法

  1.1 ポピュラー音楽のジャンルに関して
  1.2 音楽療法について

第2章 先行研究の紹介

第3章 音楽療法理論から見たポピュラー音楽
  
  3.1 曲目について
  3.2 曲の音楽療法理論的考察
  3.3 曲を分析し比較検討する。
    3.3.1 アナログ的音楽の曲分析
    3.3.2 デジタル的音楽の曲分析

第4章 結論

引用・参考文献
はじめに

 現在、音楽療法ではクラシック音楽を使った治療、およびその理論が多い。しかし「音楽」を媒体とするなら、クラシック音楽でもポピュラー音楽でも音楽療法的に効果があるのではないだろうか。この論文は音楽療法から見たポピュラー音楽の有効性についての研究である。
 まずポピュラー音楽とは何かについて述べてみたい。ポピュラー音楽とは、工業化等による分業が進み生産者と消費者が明確に別れている様な社会に特有の大量消費型の音楽である。
 我々が聴く音楽は民族音楽、クラシック、ポピュラーの3種類に大別される。民族音楽とは伝統的な社会習慣や宗教的な影響が特徴となるような伝承的な音楽であり、クラシックとは芸術として鑑賞される音楽である。ポピュラーとは日常的な娯楽として聞かれる音楽である。クラシックでも民族音楽でもジャンルが様々にある様に、ポピュラー音楽についても同様である。表1.1にポピュラー音楽のジャンル表を示す。例としてクラシック音楽、民族音楽に関しても少数上げてみた。(「標準ポピュラー音楽理論」より 林 知行 1997年 p.144-145)
 この表にあるすべてのジャンルの音楽について研究することはできないので、この論文ではいくつかのジャンルを選び代表的な曲目について検討していきたい


 表1.1 ポピュラー音楽のジャンル表
gt_fig1


 本論文はポピュラー音楽が音楽療法的に有効であるかどうかを検討するのが目的である。そのための方法として受動的音楽療法からみた視点で考察する。まず第1章ではポピュラー音楽の概略、音楽療法の概略に関して述べる。次に第2章ではポピュラー音楽を使った音楽療法の事例、論文を多数紹介する。第3章では実際に治療で使われているクラシック音楽などの曲と、ポピュラー音楽的な曲を音楽的に比較検討する。比較する点は、リズム、音階、コード進行、音量、音色などである。第4章では音楽療法からみたポピュラー音楽の有効性を考察したい。
第1章 ポピュラー音楽のジャンルと音楽療法

1.1 ポピュラー音楽のジャンルに関して
 ポピュラー音楽で癒し系音楽としてCDなどで販売されているものがある。それらの代表的な曲のジャンルに関してみつとみ(1999)を参考にしながら簡単に述べてみたい。  
 
 (1)ニューエイジ音楽
 ニューエイジ音楽とは、アメリカのベビー・ブーマーが作り上げた音楽の総称であり、特定のジャンルを指しているわけではない。しかし、実際の言葉の使われ方は、ウィンダムヒル・レーベルを始めたピアノのジョージ・ウィンストンから始まった新しい形のアコースティック・ポップスを指している。ロックの様にリズムが強調されるわけでもなく、ヒットチャート・ポップスの様な定型の構成と親しみやすいフレーズがあるわけでもない。演奏者の感情の赴くままに楽器で表現した音楽である。代表的な作曲家をあげる。アンドレ・ギャニオン、喜太郎、ジョージ・ウィンストンなどである。(p.205)

 (2)映画音楽
 映画音楽とは、映画の中で流れる音楽である。音楽のジャンルを説明するのに、映画音楽のことだけを語っていればすべてのことが理解できてしまうほと、映画で使われている音楽の幅は広い。クラシック音楽から、ロックまでという表現では収まらないくらい、民族音楽、童謡、民謡など、様々なジャンルの音楽が使用されている。ホラー映画の音楽では緊張と恐怖を与えるような音楽、恋愛映画の音楽では心の恋心や平安を表現する音楽など、映画のジャンルにあわせた音楽がある。また、作曲家の個性が映画そのものの個性になっているような映画もある。ある作曲家が映画の音楽を作成すると、その音楽の影響で映画のイメージが決まるといったものである。代表的な作曲家をあげる。久石譲、エンニオ・モリコーネ、マイケル・ナイマンなどである。(p.188-195)


(3)ヒーリング音楽
 人間の脳のアルファ波を増長させてリラックスさせることを目的に作られた音楽を、ヒーリング音楽と言う。ヒーリング音楽は精神医療の分野では患者をリラックスさせるために使われる。音楽的な特徴は二つある。シンセサイザーを使い、リズムがソフトにおさえられた音楽。ギター、ピアノ、フルート、オカリナなどアコースティックな楽器を使い、それぞれの音色を生かし、自然な旋律で人間の心に直接訴えかけるような音楽である。代表的な作曲家をあげる。宮下富実夫、東儀秀樹、エンヤ、セシリア、スーザン・オルボーンなどである。(p.203)

(4)環境音楽
 環境音楽とは、山の中で聞く鳥の声、川のせせらぎ、風の音など、人間と環境の調和から生み出された音楽である。しかし実際には、こうした自然音が存在している環境に人間が作った音楽を持ち込むことはそれらを破壊していることになるので、人工的に作り出された空間に人間が自然界の生物であることを自覚させるために作り出された音楽を環境音楽と言う。代表的な作曲家をあげる。モーガン・フィッシャー、スティーブ・ライヒなどである。(p.204)
 
 1.2 音楽療法について
 本論文はポピュラー音楽を受動的音楽療法からみた視点で考察するのが目的である。そこで、まず下記に受動的音楽療法の概略を述べたい。

 (1)受動的音楽療法について
 音楽療法の大まかな概念として、能動的音楽療法と受動的音楽療法がある。能動的音楽療法は受療者自身がセラピストと共に音楽を演奏する。能動的音楽療法とは音楽の演奏を用いる音楽療法である。演奏の種類は、声楽、器楽、そして即興などが含まれる。
 一方、受動的音楽療法は、音楽鑑賞を中心とした音楽療法である。治療場面で音楽が再生され、その音楽を聴く行為の中に音楽療法的な工夫が施されている。受動的音楽療法には音楽鑑賞グループ活動の他に、調整的音楽療法RMT(Regalative Imagery and Music)、GIM(Guided Imagery and Music)、嗜好拡大法、音楽処方などが含まれている。(村井,2001, p.90)

 (2)GIM(Guided Imagery and Music)について
 GIMとは、アメリカの音楽療法士ヘレン・ボニーにより開発された聴取的音楽療法の一技法であり、主として個人療法として用いられる。 患者はリラックスした状態で、ある特別に選択された、たいていはクラシック音楽を聴取し、内的イメージや身体感覚、感情、思考を湧き上がらせるにまかせ、無心に追跡する。そのイメージをガイドに報告する。ガイドは、クライエントと積極的に対話しながらクライエントが追っている視覚的イメージを誘導していく。このように誘導されたイマジネーションは無意識的体験の表現として理解される。それを活性化し内省することは、精神内界の葛藤を意識化することとならんで、内的資源を解放し、自己治癒プロセスへと導く。(音楽療法事典,1999, p.227) 


 (3)音楽処方について
 音楽処方は、疲れたと感じたり、いらいらしているとき、憂鬱なときなどの心理状態のときに、音楽を聞きその心理状態を軽減させることである。
 いらいらしているときなどは、人間性のあるアナログ音楽ではなく、激しいデジタル音楽を大きな音量で聴くと効果がある。旋律的音楽ではなく、リズム的な音楽が適する。
 不安解消のためには、心が弾むような楽しさの要素が必要で、人間的で楽しい踊り系の音楽が適する。(村井,2001,p134-138)

 (4)調整的音楽療法(RMT)
 「調整的音楽療法はシュヴァーベによって開発され、1977年に初めて発表された「音楽療法の方法論」の方法体系に属するものである。」(p.392)
 「RMTは音楽鑑賞の影響下におかれている患者の、徐々に強くなる自己知覚という行動原理に立脚している。受容できる知覚の内容と、受容できない知覚の区別に向けられる自己の知覚は、体験したことの内容に対して意識しながら積極的に自分の身を委ねるということをとおして現実化される、という行動の実現からなる。」(p.392)
 「RMTのために使われる音楽は、内容が豊かで多重的な構造をもった「芸術」音楽からなる。各種の音楽選択において、音楽構造、集団の状況、グループの参加者の状態、意図された活動の方向性、起こりうる反応などに関して、セラピストが高度の知識を持たなくてはならないということが要求される。」(p.391)(音楽療法事典,1999,p.392-395)
 
第2章 先行研究の紹介

この章ではポピュラー音楽を取り上げた音楽療法に関する先行研究、とくに受動的音楽療法研究の、論文、書籍の内容を紹介し、現在までの動向を概説する。
 以下にポピュラー音楽を使った音楽療法の論文の概略を示す。このテーマによる先行研究は非常に少ないが、以下のようなものがある。
 まず「精神保健および教育分野における音楽療法」より三つ紹介しよう。

(1)「セラピーにおける音楽の文化的側面」 
ルース・ブライト(Ruth Bright,2000)
  
 ”文化に対する認知の音楽療法への適用”と題される章で、
「ダニー・ボーイ」の歌を実践の中で使ったものがある。この歌は歌詞、ハーモニー、ピッチ、演奏の速度、全体的な構造によって一般的には悲しい音楽として感じられる。ところがあるセミナーでこの曲が流れ出すと笑い始める人がいた。「彼は、自分のオフィスではこの曲が、「パイプが、パイプが呼んでいる」という歌詞にかけて、トイレに行っている間は誰か電話に出ておくれ、と頼むのに使われていると説明した。」(p.270)
 また一方、トゥーアップというコインを使った非合法の賭けのことを歌ったオーストラリアのユーモラスな歌を聴いて高齢の男性が激しく泣き出した。彼はシドニーのハーバーブリッジの建設現場で働いていたことがあり、この歌によって、橋から転落して亡くなった友人を連想したのだった。
 このようなことから、1つの曲に1つの絶対的な感情的内容があると考える、既存の音楽に関して従来言われていることが当てにならないものであることを示している。個人的な連想が統計資料の信頼性に影響を
与えているのである。

 (2)「音楽-脳へのスーパービタミン」 
          デニス・アーダンメズ(Denise Erdonmez,2000)

 アルツハイマー病とその他の痴呆の章から「青い服を着た2人の少女」の歌を使った研究である。音楽療法では歌を利用してクライエントの記憶を呼び起こそうとする。アルツハイマー病や他の痴呆状態の人においては、短期記憶のシステムは深刻な損傷を負っている。しかし丸暗記によって蓄えられた長期記憶は良好な状態で保持されている。あるクライエントは長期記憶に保存されている「青い服を着た2人の少女」の歌の情報を、正確なメロディと歌詞で歌うことによって、呼び戻すことができるのである。

 (3)「統制と創造性-拘禁施設に収容された少年を対象とした
    音楽療法」 
クレア・フラワー(Claire Folwer,2000)

 ピーターという少年の症例から、「イーステンダーズ」の曲を使った音楽療法である。少し長いが本文を引用してみよう。「ピーターというクライエントは、「イーステンダース」のテーマ曲がお気に入りだった。既成のメロディの使用は、彼にとって安全な音楽上の出発点になり、彼はそこからであれば音楽療法のセッションという潜在的に危険を秘めた世界の探求に着手できたのである。これは多少音楽という手で自分を支えてくれる何かにしがみつくというようなところがあった。エインワーズの行った、馴染みのない環境に置かれた母親と幼児の観察(1979)を思い出させるものである。エインズワーズは、母親と幼児の間に健全な愛着があれば、子供はしばらくの間、母親にしがみつき、その後少しずつあたりを探求し始めるということを指摘した。ピーターが「イーステンダーズ」のメロディを繰り返し演奏するというのは、これに対応する音楽的愛着であり、彼にとってより広範にわたる探求を開始するための、避難所の役割を果しているように思われた。」(p.71-72)

 次に「音楽療法入門-理論と実践-下」より、クレア・ギボンス(1977)の研究を紹介する。

 高齢者におけるポピュラー音楽の嗜好 
            アリシア・クレア・ギボンス(1977)
 高齢者への音楽療法の実践における基本的前提として、高齢者たちは自分の若い時の音楽を他の時代の音楽よりも好むこと、また好きな音楽は、音楽療法への参加を促すこと、そして刺激的な音楽よりも静かな音楽を好むこ傾向があるなどが一般的に言われている。このことを調べる為に著者は高齢者の音楽嗜好についての上の仮説を検証した。
 結果から、1)高齢者たちは若い頃流行した音楽を、それ以降に流行した音楽に比べて強く好むことを示していた。2)鎮静的音楽と刺激的音楽の好みの相違については、統計的に有意な差は出なかった。3)しかしデータからは、高齢者たちが静かな音楽よりも刺激的な音楽を好む傾向があることが示された。

日本における研究でも、ポピュラー音楽に関するものは少ないが、一つ紹介する。

 「”癒し音楽(Healing music)”に関する基礎研究(1)」
後藤 靖宏(2000)
 著者は、被験者に音楽を聴かせた後、質問紙法を用い「音楽を聞いて癒されるのはどのようなときか?」、「癒されると感じるのはどのような種類(ジャンル)の音楽か?」などを調査した。実験に用いられた音楽の中に、エンヤ、坂本龍一などポピュラー音楽的なものが含まれていた。結果から、”癒し音楽”とされる種類の楽曲以外にも癒しの効果を感じる曲があることが示された。
 これらの研究から、a)、実際の音楽療法でポピュラー音楽が使われていること、b)、事例は少ないがポピュラー音楽が有効だったものがあること、c)、ポピュラー音楽の研究自体はまだ基礎段階であること、がわかる。受動的音楽療法的な物を集めたが、やや能動的音楽療法的なアプローチがされているものがあった。音楽療法の研究者間でもポピュラー音楽に対して関心が高まっていると推測されるが、まだクラシック音楽を使った研究に比べると研究数が少なく、まだ基礎的な段階にあると言わざるを得ないだろう。


  
 第3章 音楽療法理論から見たポピュラー音楽

 音楽療法において有効であるとされるクラシック音楽、ポピュラー音楽の曲目を挙げ、それを音楽的、および音楽療法的側面から概観する。

 3.1 曲目について

 (1) クラシック音楽、ポピュラー音楽の曲目について
   藤木(2000)は、日本で出版されている音楽療法
関連の書籍を参考として、各症状に有効とされているクラ
シック音楽の曲をあげ、概観している。それによれば、
不眠、ストレスによる心身症、不安緊張などの症状に効果が
あるとされている共通の曲目が複数ずつ挙がっている。
・不眠に有効とされる曲
ショパン:子守歌作品57
ドピュッシー:夢
   ・ストレスによる心身症、疲労を癒す効果がある曲  スメタナ:モルダウ
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲
   ・不安緊張の高まりを鎮める曲目
シューベルト:トルコ行進曲
ビバルディー:協奏曲「四季」
 以上のような曲目が上がっている。(「音楽療法における処方箋を探る文献調査研究」より 藤木 淑子 2000)
 本論文では、リラクゼーションに効果があるCDを紹介している書籍から、クラシック音楽関連、ポピュラー音楽関連の曲目を調査することにした。各種CDに収録されている頻度の高い曲を選び、表を作成した。表3.1.1,3.1.2参照。(音楽でリラックス,2000,p2-48)

表3.1.1 癒し系クラシック音楽リスト
gt_fig11.gif

表3.1.2 癒し系ポピュラー音楽リスト
gt_fig12.gif

 表3.1.1はクラシック音楽のリストである。表はリラクゼーション音楽CDに収録されている頻度が高い順に並べられている。作曲家出現回数は調査したリスト中にその作曲家が出現した回数である。表の上位と言うことは、それだけCDに収録された回数が多いことになる。CDに収録された回数が多いことは、癒しの効果が複数の選曲者に認められていると解釈される。
 表3.1.2はポピュラー音楽のリストである。ポピュラー音楽だけでまとめられている癒し系のCDも存在するが、数が少なく、登場する曲、作曲家も販売するそのレコード会社によってまちまちであった。ポピュラー音楽はその作曲家が専属のレコード会社から主にCDを販売するため、クラシック音楽のように様々なレコード会社から出ることはない。そのためCDの種類が少なく、順位付けを行えるほどデータがなく、代表的な曲と作曲家をあげるに止まった。

3.2 曲の音楽療法理論的考察
 本章では13ページの表より曲を音楽的、音楽療法的に考察する。

 (1)曲目表の考察
 クラシック音楽、ポピュラー音楽の両曲目表を村井氏の言う、「アナロク音楽」、「デジタル音楽」の概念に基づいて考察したい。
 「アナロク音楽」とは、村井氏によれば大きな揺れが見られ、「テンポはゆっくりで、音の素早い動きは押さえられ、個々の音より、音の集合がもたらす大きな旋律の動きが心に響くような音楽」(村井 1999 p.70)と言うことである。より人間的で、人間の感情を表現した音楽と言えるであろう。
 一方「デジタル音楽」とは、細かな揺れが多く見られる音楽で、人間的な深い感動などがあまり見られない音楽である。「アナロク音楽」のように旋律が強調されるのではなく、音の1つ1つが独立し、それらが心地よい動きとして感じられる音楽である。なお、激しさと結びついた「デジタル音楽」はいらいらを解消する音楽として効果があるとされている。
 以上の概念に従って、表3.1.1、表3.1.2の曲目を、「アナロク音楽」、「デジタル音楽」に分類し、改めて表を作成した(表3.2.1参照)。
 
(2)アナログ音楽について
 表3.2.1より「アナログ音楽」に種別された曲ついて考察したい。
 全体を通して言えることは、テンポがゆっくりした音楽が多いこと、音量など強弱のうねりがあること、旋律が強調される音楽であることが言える。表内の曲目は長調が多かった。
 クラシック音楽では、さまざまな楽器を使っているものが多い。声楽曲もあった。
 ポピュラー音楽では、ピアノを使ったものが多かった。シンセサイザーなどを使っている曲もあった。

(3)デジタル音楽について
 表3.2.1より「デジタル音楽」に種別された曲ついて考察したい。まず曲数だが、アナログ音楽に比べて数が少ないことが言える。癒しを目的とした音楽には「デジタル音楽」よりも、「アナロク音楽」がより適すると考えられる。
 曲を見ると、「デジタル音楽」の特徴である、響きよりも個々の音が強調され、細かな揺れとなって流れていく。

表3.2.1
2005_fig18

3.3 曲を分析し比較検討する。
 本章では表より曲を選定し、譜面などを用いて比較検討する。表3.2.1よりクラシック音楽、ポピュラー音楽から、それぞれアナログ的音楽から各1曲。デジタル的音楽からクラシック音楽2曲、ポピュラー音楽1曲、計5曲を選び考察する。選定した曲はアナロク的音楽からクラシック音楽より「G線上のアリア」、ポピュラー音楽より「エナジーフロー(energy flow)」である。デジタル的音楽からクラシック音楽より「カノン」、「主よ、人の望みの喜びよ」ポピュラー音楽より「ピアノレッスン(The heart asks pleasure first)である。曲の分析は1から19小節目まで行った。

 3.3.1 アナログ的音楽の曲分析
 アナログ的音楽である、J.S.バッハの「G線上のアリア」、坂本龍一の「energy flow」を音楽的観点から検討し、分析結果を以下に述べる。下記に2曲の譜例を示す。譜例3.3.1、譜例3.3.2参照

譜例3.3.1 J.S.バッハ、「G線上のアリア」
f1


譜例3.3.2 坂本龍一、「energy flow」
f2


 (1)音の強さの変化などについて
 音の強さの記号(mp,pなど)と、強弱記号(クレッシェンド、デクレッシェンド)の数を譜面より調べて、表にした(参照 表3.3.1)。


表3.3.1 音の強さ記号、強弱記号集計表
2005_fig9


強く弾く傾向のある記号、f(強く)などの記号は、G線上のアリアでmfが1つあったのみであった。全体的に音量を抑えて演奏する曲であることが分かった。
 強弱記号は両曲ともに細かな記述があり、G線上のアリアの方が数が多かった。演奏に音量面で強弱を付けている。「アナログ音楽」の特徴である、音量など強弱のうねりがあることが譜面より見て取れる。

 (2)テンポ、速さついて
 両曲のテンポ、速さを調べた。「G線上のアリア」は1分間に四分音符で52~54でLargo、「energy flow」は1分間に四分音符80~96でModeratoの表記があった。Largoは「非常に遅く」、Moderatoは「中くらい」の早さ、と言う速度になる。
 「G線上のアリア」はゆったりとしたテンポで進行していき、弦楽器の響きを強調する曲である。「アナログ音楽」の特徴であるテンポがゆっくりした音楽であると言えるだろう。
 「energy flow」は中くらいの速さで進行していく訳だが、付点四分音符、八分音符が中心で速さはあまり目立たなく、むしろメロディがより強調されている曲であると思われる。「アナログ音楽」の特徴である旋律が強調される音楽であることが言えるだろう。
  
 (3)コードについて
 譜面よりコード(和音)を調べた。使用されているコードの割合、メジャー系コード、マイナー系コードの比率、主調内、主調外のコードの割合などを計測した。
 まず曲内で使われているコードの種類とコードの割合について述べたい。図3.3.1、図3.3.2を参照されたい。
 図3.3.1は「G線上のアリア」のコードの割合図である。使用していたコードは12種類で比較的多い種類のコードが使われていることが分かる。最も多く使われているコードは「A」だった。ニ長調だと「A」の和音は属和音になり、主音である「D」のコードに進行すると安定すると言われている為であろう。半音で進行するコード進行なども多く見られ、その為D#mやAmが使われていると思われる。
 図3.3.2は「energy flow」のコード割合図である。使用しているコードは12種類だった。最も多く使われているコードは下属和音である「F」であった。この図から、使用しているコードの度数見ると「G線上のアリア」と同じ傾向があると考察される。クラシックではあまり見られない「sus4」コードなどの使用もあった。
 各曲ともに多くのコードを使用していることが分かった。メロディを優先にする音楽は、様々なコードを使うと考えられる。コード進行を滑らかにし全体の響きを優先するより、コードがメロディを細かく補助する役割を負っている曲なのではないだろうか。そうすることによって、よりメロディが強調されると思われる。

図3.3.1 「G線上アリア」コード割合図
2005_fig2

図3.3.2 「enrgy flow」コード割合図
2005_fig3

 次に各曲のコードの比較をしてみたい。図3.3.3を参照されたい。上でも述べたが、まず2曲とも主調内、主調外を問わず様々なコードが使われていることが、この表より分かる。主調以外のコードの割合は40%に達している。曲としての安定よりも、旋律の美しさを優先した結果なのではないだろうか。
 メジャー系、マイナー系コードの割合だが、マイナー系コードの使用が多いことが分かった。これも両曲ともに同じ傾向を示している。どちらも長調の曲だが、マイナー系(短調)のコードを使うことによって、哀愁漂う、どこか切ないような響きに聞こえるのはこのためではないだろうか。
 音楽療法の理論のなかで「同質の原理」と言うものがある。これは「悲嘆を克服するにあたって、気持ちと同質の音楽が治療的効果をもたらす」(「音楽療法事典」p.23)と言うものである。つまり悲しい時には、悲しい音楽を聴いた方がよいとする考えである。「energy flow」が大ヒットしたのも、不況など世俗の悲しい雰囲気と、曲のどこか悲しい響きが世の中の気分に合ったために、多くの人々に受け入れられた結果なのではないだろうか。多くの人に癒しの効果が認められている「G線上のアリア」とポピュラー音楽の「energy flow」が音楽的に見て同じ傾向にあることが明らかになった。したがって、ポピュラー音楽も人の心の癒しに効果があると言えるのではないだろうか。
 
2005_fig5
図3.3.3 各曲コード分析表


3.3.2 デジタル的音楽の曲分析
 デジタル的音楽に関しても、アナログ音楽と同様に分析をしてみることにした。曲目はパッヘルベルの「カノン」、J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」、映画「ピアノレッスン」のテーマ曲であるマイケルナイマンの「The heart asks plesure first」である。下記に3曲の譜例を示す。譜例3.3.3、譜例3.3.4、譜例3.3.5を参照


譜例3.3.3 パッヘルベル、「カノン」
f3

譜例3.3.4 J・S・バッハ、「主よ、人の望みの喜びよ」
f4

譜例3.3.5 マイケルナイマン、「The heart asks pleasure first」
f5


 (1)音の強さの変化について
  アナログ的音楽と同様に音の強さの記号(mp,pなど)と、その他強弱記号(クレッシェンド、デクレッシェンド)の数を譜面より調べ、表にした(参照 表3.3.2)。

表3.3.2 音の強さ記号、強弱記号集計表
2005_fig10

 演奏の強さに関しては、弱く弾く傾向があることが分かった。「The heart asks plesure first」では強く弾く、fが1つあった。
 強弱記号は、アナログ的音楽に比べるとその数が少なくなった。デジタル音楽は響きよりも個々音が強調される傾向があるため、音の強弱を付ける記号は少なくなると言える。
 曲は全体的に流れるようにではなく、個々の音をはっきりと弾く曲であることが分かった。

 (2)テンポについて
 アナログ的音楽と同様に、テンポ、速さなどについて調べた。「カノン」は1分間に八分音符で52~58でLargo、「主よ、人の望みの喜びよ」は1分間に四分音符で66~69でAdagio、「The heart asks plesure first」は1分間に付点四分音符で46~56でLargoであった。
Largoは「非常に遅く」、Adagioは「遅く」という速度になる。
 3曲ともあまり早い速度ではないが、音符の数が多いため速く、リズミカルに聞こえる。響きを強調するようなものは少なく、次から次に音が出てくるような感じをうける。メロディを伴奏する音も細かい音が多く、デジタル的音楽の特徴である、細かな揺れが多く見られると言うのをよく表している。

 (4)コードについて
 アナログ的音楽と同様に、使用されているコードの割合、メジャー系コード、マイナー系コードの比率、主調内、主調外のコードの割合などを調べた。 
 まず各曲のコードの割合について述べたい。
 図3.3.4は「カノン」のコード割合図である。使用されているコードの数は、5種類であった。これは比較した曲の中で最も少ない数であった。「カノン」では規則正しいコード進行が守られている。特殊なコードを使うことはない曲であった。
 図3.3.5は「主よ、人の望みの喜びよ」のコードの割合の図である。使用されているコードは6種類であった。この曲もやや不規則であるが、秩序のあるコード進行となっている。ややメロディを強調するところもあるが、アナログ的音楽程ではなく、全体的には規則正しい流れを持った曲と言える。
 図3.3.6は「The heart asks plesure first」のコード割合図である。使用しているコードは8種類であった。この曲は短調なのでマイナー系のコードが多く使われている。上記の2曲より多くの種類のコードを使っていると言える。コード進行はあまり規則正しくはなく、「Am」を多く使う曲である。

2005_fig4
図3.3.4 「カノン」コード割合図


2005_fig6
図3.3.5 「主よ、人の望みの喜びよ」コード割合図


2005_fig7
図3.3.6 「The heart asks pleasure first」コード割合図

 3曲ともに主和音、属和音、下属和音を多く使っていることが言える。この三つの和音を多く使うことによって、曲が安定して聞こえると考えられる。
 次に各曲のコードを比較してみたい。図3.3.7を参照されたい。
3曲とも主調内のコードを主に使うことが分かった。主調内のコードを使うことによって、転調感を押さえ、安定して聞こえるようにしているのではないだろうか。少ないコードを使っているため、多彩なコード進行は見られず、比較的規則正しいコード進行になっていると言えるだろう。
 イライラを解消する音楽としては、「旋律的音楽よりも、リズム音楽が適する」(村井,1999 ,p.136)とする考えがある。上記のようなリズム、コード進行が安定し、規則正しい曲は、乱れた心を整え安定させ、そのようないらいらの症状に効果があるのではないだろうか。
 メジャー系、マイナー系コードの割合だか、長調ならメジャー系のコードを多く使い、短調ならマイナー系のコードを多く使うことが示された。


表3.3.7 各曲コード分析表
2005_fig8

4 結論
 本論文では、「音楽」を媒体とするなら、ポピュラー音楽でも音楽療法的に効果があるという仮説を検討した。そのために実際に治療で使われているクラシック音楽の曲と、ポピュラー音楽的な曲を譜面上から音楽的に比較検討した。その結果、リズム、コード進行、コードの使用している割合、音量などの面で、癒し系とされるクラシック音楽とポピュラー音楽の曲の間に、音楽的に多くの面で似通った傾向が見られた。癒しの効果が高い曲として、アナログ的音楽は、メロディや響きが強調され、コードの使用数が多い曲と言える。デジタル的音楽としては、リズミカルで音符の数が多く、コードの使用数が少ない曲と言えるだろう。今回の研究の結果、ポピュラー音楽でもそのような特徴のある曲が多数発見できた。このことからポピュラー音楽が受動的音楽療法において有効であると推測される。
 先行研究を概観した章でも触れたが、ポピュラー音楽を使った音楽療法の実践、研究は非常に少ない。ポピュラー音楽が音楽療法で多く使用されない理由を上げてみると、a)教育が進んでいない、b)著作権の問題で、使用が難しい、c)新しい物が次々に出てるので、研究しにくい、などが言えるだろう。
 我が国の音楽教育ではクラシック音楽が主である。その理由はクラシック音楽が体系として確立されていることが言える。ポピュラー音楽はその時代によって常に変化するものである。現在ポピュラー音楽で、ヒーリング音楽というジャンルが確立され始めている。このことからも、人々が癒しを求めていると推測される。
 ポピュラー音楽の利点としては次の事が言えるだろう、a)親しみやすいこと、b)手に入りやすいこと、c)知識がいらないこと、などであろう。クラシック音楽に慣れていないクライエントを音楽療法で治療するときも、ポピュラー音楽を使用すれば滑らかに治療が進む事もあり得るだろう。本研究ではポピュラー音楽の音楽療法における有効性を検討したが、次は実証的な研究を行って行かなくてはならないだろう。
 音楽は芸術であるので、人によって感じ方が異なる。ルース・ブライト(Ruth Bright,2000)の「セラピーにおける音楽の文化的側面」の研究からも、1つの曲に1つの絶対的な感情的内容があるとする考えに疑問が投げかけられた。癒しの効果があるとされる曲に対して、絶対的に癒しの効果があると一義的に決めることはできない。しかし、クラシック音楽、民族音楽、ポピュラー音楽を問わず、多くの人々に癒しの効果が認められている曲がある。そのような曲を音楽的、音楽療法的にさらに深く研究していくことが、今後の課題となるであろう。我々はクラシック音楽だけにとらわれず、もっと様々な音楽のジャンルに対して目を向け、研究を行わなくてはならないのではないだろうか。
 最後に、この研究、論文の作成にあたり、いろいろな助言くださった相場 覚先生と、研究の進行、論文の添削、作成の助言などお忙しい中をご指導していただいた星野 悦子先生に心よりお礼を申し上げたい。

引用文献

林 友行、1997、 標準 ポピュラー音楽理論、シンコーミュージック
ハンス・ヘルムート、D・フォイクト(他編著)・(坂上正巳 他訳)、 1999、音楽療法事典、人間と歴史社
マーガレット・ヒール、トニー・ウィングラム(編)・(蓑田洋子 訳) 村井靖児(監訳)、2000、精神保健および教育分野に おける音楽療法、音楽之友社
みつとみ俊郎、1999、音楽のジャンルって何だろう、新潮社
村井靖児、2001、音楽療法の基礎、音楽之友社

参考文献

ヘレン・ボニー、ルイス・サバリー・(村井靖児、村井満恵 訳)、2000、 音楽と無意識の世界、音楽之友社
W・B・デイビス、K・E・グフェラー、M・H・タウト・栗林文雄(訳)、 1999、音楽療法入門-理論と実践-上、一麦出版社
W・B・デイビス、K・E・グフェラー、M・H・タウト・栗林文雄(訳)、 2001、音楽療法入門-理論と実践-下、一麦出版社
藤木淑子、2000、音楽療法における処方箋を探る文献調査研究、放送大 学卒業論文集
後藤靖宏、2000、”癒し音楽(healing music)”に関する基礎調査、北海 道心理学研究、第23号
音楽でリラックス、2000、 音楽之友社
篠田元一、1997、 新・実践コード・ワーク1、Rittor Music
Even.Rund・ (村井靖児 訳)、2000、音楽療法-理論と背景-、ユリ シス・出版社
田中多聞、1997、第五の医学音楽療法、人間と歴史社

譜例引用文献

No278 主よ、人の望みの喜びよ、1997、全音楽譜出版社、p1
ピアノ・ピース坂本龍一「ウラBTTB」、1999、KMP、p2
ピアノソロ マイケル・ナイマン「ピアノレッスン」、1996、シンコー ミュージック、p25
新編 世界大音楽全集 声楽編3 シューベルト歌曲集Ⅲ、1991、音楽 之友社
最新名曲解説全集 第24巻 声楽曲Ⅳ、1981、音楽之友社
最新名曲解説全集 第16巻 独奏曲Ⅲ、1981、音楽之友社
全音ピアノ名曲100曲(初級編)、2000、全音楽譜出版社、p14,40
全音ピアノ名曲100曲(中級編)、1998、全音楽譜出版社

卒業研究ページに戻る

| | コメント (0) | トラックバック (0)

研究の覚え書き、その五(癒し音楽)

 今回は癒し音楽についての論文を紹介していきたいと思う。
3 癒し音楽について
3.1 「元気になる」音楽と、「心がやすらぐ」音楽
 人はどのような音楽を聴いたとき、「癒される」と感じるのだろうか。松田・厚味・伊東(2001)と松田・厚味・,鈴木(1998)はそれぞれ、「元気になる音楽」と「心が癒される音楽」について調査している。
 私は、それらの調査の中で上位にあげられた曲を実際に聴き、譜面などから音楽的特徴を検討した。その結果、1)元気がでる音楽は、リズムが強調され、テンポが比較的早い特徴があった。2)癒される音楽については、リズムはそれほど強調されず、テンポがゆっくりで、メロディーがシンプルであることが分かった。癒される音楽の上位三曲は、エンヤ・ウオーターマーク、リスト・愛の夢第3番、神山・水色の幻想である。
 前回まではモーツァルト効果の研究を紹介してきたが、それには曲のテンポが係わっている可能性があると述べた。今回あげている調査でも、テンポが速い曲の方が、人を元気(覚醒)させる効果がある事が示されている。
 またメロディに関しても、Balkwill & Thompson(1999)は、音楽聴取後の感情にメロディのシンプルさと複雑さが、ポジティブ感情とネガティブ感情に関係があることをあげている。今回紹介した調査の「心が癒される音楽」もメロディの特徴において、シンプルであるという事が分かった。
 村井(2001)は音楽療法の立場から癒しについて検討している。そこで音楽療法で有効な音楽として、「デジタル的音楽」と「アナログ的音楽」という二つの概念を提唱している。そこでもメロディとテンポの、癒しに対する関連性が述べられている。
 人を癒す音楽は、テンポとメロディが係わっているらしい。

参考文献
Balkwill,L.L.,& Thompson, W.F.(1999).A cross-cultural investigation of the perception of emotion in music:Psychophysical and cultural cues.Music Perception,17,43-64
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
松田真谷子,厚味高広,伊東康弘.(2001).如何なる種類の音楽を聞いたとき人は元気が出ると感じるか.日本音楽療法学会誌,1(1),2001,87-94
松田真谷子,厚味高広,鈴木茂孝.(1998),「心が安らぐ」「心がいやされる」と感ずるのはどんな音楽を聴いたときか,日本バイオミュージック学会,Vol16,No2,201-207
村井靖児.(2001).音楽療法の基礎,音楽之友社

| | コメント (1) | トラックバック (0)

研究の覚え書き、その四(モーツァルト効果)

 今回もその弐に引き続いて、モーツァルト効果に関連した研究を紹介しようと思う。

1.2 モーツァルトの曲と、気分、空間認知能力向上の関係(他作曲家との比較)
 1.1ではGabriela et al.らのモーツァルト効果の研究を紹介した。彼らはモーツァルトの曲のみで気分や空間認知能力向上の関係を調査していた。今回紹介するのは、モーツァルトとそれ以外の作曲家の曲で、それらを調査している。
 William,E.Glenn and Gabriela(2001)は、モーツァルトとアルビノーニの両作曲家による曲を聴取した群と、音楽を何も聴かなかった群とで、気分と空間認知能力を測定しいる。曲は、モーツァルトのK448(ピアノ・ソナタ、ニ長調)と、アルビノーニのAdagio ト短調 for Organ and Stringsである。空間認知能力測定はpaper-folding-and-cutting(PF&C)tasksで測定し、気分はProfile of Mood States(POMS)で測定している。結果は、
1)モーツァルト群は空間認知能力の点が何も聴取しなかった群よりも高くなった。また気分は、ポジティブな感情が高くなり、覚醒の度合いも高くなった。一方、
2)アルビノーニの群は空間認知能力が非聴取群と変わらない得点だった。気分に関してはネガティブな感情が強く、覚醒の度合いも低かった。
 この結果だけ見るといかにもモーツァルトの曲が効果があるように思える。1.1でGabriela et alらのモーツァルト効果について調査を紹介した。それは早いテンポで長調による曲の聴取条件で、覚醒とポジティブな気分に誘導したときに、空間認知能力の向上が起きている。空間認知能力の向上には、モーツァルトの特定の曲が関係しているのではなく、音楽による覚醒とポジティブな気分への誘導が関係しているのではないだろうか。

アルビノーニについては下記ページを参考にした。
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=225

参考文献

Baklwill,L.L.,&Thompson,W.F.(1999).Music-dependent memory:The roles of tempo changes and mood mediation.Journal of Experimental Psychology:Learning,Memory and Cognition,22,1354-1363
Gabraiela Husain.,Willam Forde Thompson.,& E.Glenn.(2002).Effects of musical Tempo and Mode on Arousal,Mood,and Spatial Abilities.Music Perception,20(2),151-171.
林知行.(1997).標準 ポピュラー音楽理論,シンコーミュージック.
Jonathan C.smith., & Carol A.Joyce.(2004).Mozart versus New Age Music:Relaxation States Stress and ABC Relaxation Theory.Journal of Music Therapy,41(3),215-224.
William Forde Thomposon,,E.Glenn Schellenberg,.& Gabriela Husain.(2001).AROUSAL MOOD AND THE MOZART EFFECT.American Psychological Society,12(3),248-251.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

研究の覚え書き、その参(音楽的特徴と知覚する感情)

 モーツァルト効果に関してはまだ紹介する論文がたくさんあるが、筆者が飽きてきたので(。´ノω・`)、モーツァルトとは違う音楽関連の話題を書きたいと思う。

2 音楽的な特徴と、知覚する感情との関係
2.1 テンポとメロディの関係を音楽形式の違いから検証
 Balkwill & Thompson(1999)は、インド古典音楽の曲を、主に西洋音楽を聞きインド音楽に関して知識を持っていない被験者に聞かせ、どのような感情が想起されるか調査している。結果として、1)速いテンポは喜びと怒りに、遅いテンポでは悲しみと穏やかさに関係があることをあげている。またメロディに関しては、2)シンプルなメロディは喜びに、複雑なメロディは悲しみに関係があることも示されている。そして、Balkwill & Thompsonは過去の西洋音楽の知覚に関する研究との比較も行い、西洋音楽とインド音楽の知覚する感情とに、音楽の文化的違いを超えた関係性があると述べている。
 音楽様式の違いがあっても、曲を聴いたときに知覚する感情には、音楽的特徴において共通するものがあるらしい。村井(2001)は音楽療法の立場から、音楽的特徴と癒しに関して述べている。これ関してはまたそのうち・・・。

参考文献
Balkwill,L.L.,& Thompson, W.F.(1999).A cross-cultural investigation of the perception of emotion in music:Psychophysical and cultural cues.Music Perception,17,43-64
村井靖児.(2001).音楽療法の基礎,音楽之友社

インド音楽に関しては下記を参考にした
http://www.sagami-wu.ac.jp/kmatsu/link_Classical_Music.htm
http://homepage2.nifty.com/naada/naada.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧